Overview
Mr. Grassi は、Eurorackシンセサイザー・タッチモジュールであり、カオスな電圧との創造的で偶発的なインタラクションを可能にする容量性のタッチプレート型ノイズ・ジェネレーターです。六角形に配置された中央のタッチ・プレートは、外側のプレート上の6つの矩形波の振動を内側のDACトリガー入力プレートに接続します。外側のプレートを内側のプレートに接続する際にシフトレジスタが構成され、Runglerを作るために採用されています。この古典的なカオス回路であるRunglerは、Rob Hordijk氏の発明した概念で、矩形波発振器をシフト・レジスタで組み合わせ、その結果をオシレーターにフィードバックすることで、カオスに変化していくランダム出力電圧を作り出します。
これらの出力は、6つのオシレーターとDACのペアに1つずつあり、直接聴くことも、パッチ内のパラメーターをコントロールするために使うこともできます。このモジュールは、オーディオ・ソースとして、痛々しく引っ掻くようなダイヤルアップ・トーンを鳴らすことも、魅力的でノイジーな音を生成することができる一方、コントロール電圧ジェネレーターとして、CV入力が可能なパラメーターをコントロールしたり、ランダムなトリガーやゲートを作成するためにも使用できます。Mr.Grassiは、Ciat-Lonbarde(シアト・ロンバルド)の世界観と同様に、ジェスチャーとサウンドの間の厳密な直線的関係よりも、偶発的な関係やその探求に興味をそそられるような方に向いています。

Features
- タッチコントロール操作のRunglerアレイ
- ノイズ・ジェネレーター、またはカオス的なCVジェネレーターとしての機能性
- 矩形波オシレーター出力の外側のタッチプレート
- DACトリガー入力として機能する内側のタッチプレート
- 外側のプレートを内側のプレートに触れることでシフトレジスタが作動し、カオスなCVの変動やモデムノイズを出力
- 6つの出力(各ラングラーに1つずつ)
Mr.Grassi モジュールについて
✳︎モジュールの詳細な機能説明をブラッサー氏はユーザーマニュアルにおいて自身の独特な言葉を用いて解説していますが、その内容は非常に技術的かつ詩的で難解です。Overviewでは、本モジュールの基本的な機能を取り上げましたが、もっと技術的な部分やブラッサー氏自身が書いたい文章にも手を伸ばしたい方のために、彼が書いたマニュアル原文の日本語訳を抜粋しました。
原文:ピーター・ブラッサー
Grassiは、ノイズジェネレーター・Eurorackモジュールで電源+12Vと-12Vで駆動する。
Grassiは、タッチインターフェースを備えたモジュールであり、内部には12個のスクエア波オシレーターが搭載されている。これらはシフトレジスタのクロックおよびデータとして機能し、それぞれのシフトレジスタは 原始的で単純なレジスタDACを経由して出力される。このDACによって、オシレーター同士が相互に影響を与え合い、カウンタークロックワイズとクロックワイズの両方向に変調されることで、永続的なモジュレーションのループを生み出す。タッチによって変調が開始され、その影響がシフトレジスタ全体に波及する。タッチを離すと、それまでのデータが保持され、各DACはその時点のデータ状態を維持する。この仕組みにより、Grassiの出力を他のCV制御モジュールにフィードバックさせることで、より複雑なモジュレーションを作り出すことができる。タッチによってデータがスクランブルされ、それを聴くことで新たな音響的変化を探求するプロセスが特徴となっている。
Grassiの物理的なデザインは、非常に薄く、モジュール全体の厚みは3.5mmジャックの高さとほぼ同じであり、約1センチメートル程度しかない。Grassiのコントロールインターフェースは、三角形と六角形を組み合わせた形状をしており、外周のポイントはスクエア波出力、内側のポイントはDACのトリガーとして機能する。タッチによって外側のポイントと内側のポイントを接続すると、「Rungling」と呼ばれる信号処理が開始される。
この「ラングリング」という概念は、西海岸式シンセサイザーの流れを組んだオランダ人の設計士であるRob Hordijkによって提唱されたもので、2つのオシレーターをシフトレジスタに組み込み、一方をデータとして、もう一方をクロックとして動作させることでメモリーヘテロダイン効果を生み出すものである。この仕組みの結果、オシレーターの動作が相互に干渉し合い、アナログとデジタル、ソフトなトーンとスクエアドローンが混ざり合った独特なサウンドが生まれる。Grassiでは、こうしたプロセスがタッチによって直感的に操作できるようになっている。
インタロガジョーク・マニフェスト(詰問的ジョークの明白化)
このモジュールは、「インタロガジョーク・マニフェスト(詰問的ジョークの明白化)」というコンセプトのもとで設計されており、Ciat-Lonbardeの新しい「ウルトラ・ラフタブル(浮遊可能)」なMobentheyシリーズとして開発された。ノブやスイッチによるインターフェースのモジュールの製作が完了した今、次に必要となるものは必然的に浮かび上がる。そのタッチコントール版である。インタロガジョークという言葉は、タッチ・インターフェースという概念自体に対する問いかけと、どのようにそれを弄ぶかという根本的な問いかけから生じた。それはピアノのようなものだろうか?指に触れられた側のタッチ・インターフェースはどのように指を感じているだろうか?触れる指はそれをどのように感じるか?
最も困難な質問は、今挙げた三つの問いかけのうちの二つ目である。ほとんどのタッチ・デバイスは、指を通過して静電容量を感知する超音波信号を発している。もちろんこれも信号ではあるのだが、一般的なタッチモジュールはこの超音波信号を聞き苦しい邪魔なものとして排除する。これがインタロガジョークの核心である。つまり、聞き苦しいものとして排除されてきたタッチセンサー自体が発する超音波に、どのように音としての存在を与えるか、それがこのジョークの根幹なのだ。
このシリーズでは、タッチコントロールを軸としたインターフェースに焦点が当てられており、従来のノブやスイッチではなく、より自由な即興的な演奏を可能にするデザインが採用されている。従来のタッチセンサーは高周波信号を利用して指の静電容量を検出するが、Grassiはそれを超音波的なものとして扱い、音響的な存在として認識しない代わりに、タッチが直接的な信号操作として機能するようになっている。これにより、タッチした瞬間に信号が変化し、離した後にはデータが保持されるという、即興性と予測不可能性を併せ持つ楽器としての性格が強調されている。
このタッチャーはもはや、「器官なき身体」であり、神話的なものとしてスイッチやノブで埋め尽くされているものではなく、センサー・フィールドに載せ替えた暗号的なルーン文字なのだ。そのため、その境界内では正確無比な操作によってコントロールしようとすることは意味を失い、ぶつかり合いながら手探りで演奏することが正義となるのだ。
| モジュラーシンセ | |
| 幅 | 12 HP |
| 奥行き | 10 mm |
| 消費電流 | +12V : ? mA, -12V : 0 mA |
| 保証期間 | 1年間 |
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